小さなお子様や高齢者にとって脱水は命取りです。

こんにちは。管理栄養士のsun7です。梅雨が明け気温が高い日が続いてますが、皆さんはこまめに水分摂ってますか?今日は脱水症にならないためにはどうすれば良いのか予防方法や簡単なスポーツドリンクの作り方等をお話ししたいと思います。

年齢とともに水分量が減少しています

私たちの体にはたくさんの水分が含まれています。生まれたての新生児は体重の80%が水分で、成人男性で60%、成人女性は55%、高齢者になると50~55%まで減少してしまいます。体を構成している他の成分としてはたんぱく質や脂肪、ミネラルなどが挙げられます。ちなみに地球全体(約5億1000万平方km)の海の面積は約3億6000万平方kmと地球の全体の約71%を占めるそうです。人間の体に占める水分の割合と似てますね。

水分は筋肉に蓄えられています。しかし加齢に伴い筋肉量が減少し、さらに水分が含まれている実質細胞数が減るため水分量も減ります。他にも腎機能の低下等さまざまな要因が挙げられます。なぜ性別で水分量が違うのか疑問に思う人もいるかもしれませんが、一般的に男性より女性の方が水分を蓄えている筋肉量が少なく、中性脂肪が多いためと言われています。筋肉が多いボディービルダーの方が肥満体型のヒトより水分量が多いと言えると思います。

一日にどのくらい飲めば良いの?

高齢者は一日に必要な水分量の目安は体重1kgあたり約40mlと言われています。体重60kgの場合は、約2,400mlの水分が必要になります。水分は口から摂る食事や、飲料水に含まれる水と、体内で栄養素がエネルギーになるときに生成される代謝水があります。口から摂る水分と代謝水を合わせると一日約2,400mlです。内訳は食事から約1,100ml、飲料水で約1,000ml、代謝水は約300mlです。この水分は尿や便で排泄される他に、皮膚から汗として現れたり呼吸する際に自然と蒸発している水分もあります。これを不感蒸泄と言います。尿量は約1,500ml、便は約100ml、汗は約500ml、呼気は約300ml排泄されます。ちなみにそれぞれ体重1kgあたり乳児は約150ml、幼児は約100ml、学童は約80ml、成人で50mlです。

人間の体は一日の水分出納を平衡にに保っているため、水分摂取量で尿量が調整されています。暑いときに大量に汗をかくと尿量が少なくなるのはそのためです。その日の体調や運動量によって普段より多めに水分補給することも必要なので、飲料水として1,000~1,500mlは摂るよう心掛けてください。

*ただし腎機能が低下していたり、心臓病で主治医より水分制限の指導を受けている方は、医師の指示をきちんと守ってください。

脱水症の予防方法

1,部屋の温度や湿度を調整しましょう。

室内の温度と湿度管理をきちんと行いましょう。夏の暑い時期はエアコンを使用して室内の温度を適温に保ちましょう。就寝中にエアコンを使わずに脱水症を起こすことがあります。高齢者の方はエアコンの風を嫌いがちですが、積極的に使用し室内環境を整えましょう。逆に冬は部屋が乾燥しやすいので、加湿器を使用したり、濡れたタオルや洗濯物を干す等して湿度を上げます。夏だけでなく冬でも脱水症になることがあるので、注意が必要です。

2,こまめに水分補給をしましょう。

高齢者は体内水分量の減少を自覚できず、喉の渇きを感じない方が多いです。起床時、食事の時、入浴の前後、就寝前等、水分補給する時間を決めておくと良いと思います。コップ1杯ずつ飲めば一日に必要な1,100~1,500mlを摂ることができます。しかし頻尿や尿失禁を心配して水分を摂りたがらなかったり、食欲が衰え食事から摂る水分量が減少することもあるので、水やお茶の代わりに水分の多い果物やかき氷、ゼリーなどを提供するのもお勧めです。

3,水分補給にお勧めなスポーツ飲料

脱水症を予防するためには、水分の他に電解質を摂ることが必要です。人間の体は水分の量と電解質の濃度を一定に保つよう自然に調整しています。もし汗をかいたときに普通の水を飲むと、体内の電解質の濃度が薄まってしまうので、体は濃度を一定にしようとして水を排出してしまいます。せっかく飲んだ水が尿として排泄され、体に水分は補給されません。しかしスポーツドリンクを飲んだ場合は体の濃度が一定となり、水分が補給されます。特にお勧めなのは人間の体液と同じ濃度のアイソトニック飲料です。ポカリスエットやアクエリアスが有名ですが、自宅でも作ることができます。簡単にできるので買い置きがなかったり、急に必要になった場合は作ってみてください。

材料                           

・水:1リットル                       

・食塩:小さじ1/4杯(1.5g)                           

・砂糖:大さじ6杯(54g)              

・レモン汁:大さじ3杯(45g)

作り方

・きれいに洗った空のペットボトルに材料をすべて入れ、きちんとふたをしてから上下に振り、よく混ぜてください。

レモン果汁の代わりに、ゆず果汁でも良いと思います。

まとめ

高齢者は喉の渇きが自覚できなかったり、頻尿等を気にされ水分を摂ろうとしないことがあります。周りにいる家族の皆さんが声がけをし意識的に水分補給をする必要があります。脱水症は重症化すると命に関わります。今回は脱水症の予防法等をお話ししました。次回は脱水症の症状等についてお話ししたいと思います。介護や子育てしている家族の皆さんも、脱水症にならないよう注意してくださいね。

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